Story04 上海ガニと上海マラソン
「じゃあ、上海マラソン完走したらごほうびに上海ガニね」
こうして、僕たちの上海行きが決まった。
僕たちは上海を初めて訪れた時に上海ガニを一度だけ食べたことがある。
その当時貧乏旅行の最中だったので、お金をケチって
1パイのカニを宿で出会った旅人5人とシェアした。
身の少ない上海ガニを5人でシェアしたらどうなるか。
それは食べたというよりは「ちょっとなめてみた」といったほうがいいくらいの上海ガニ体験でしかなかった。
しかも、僕は何も知らず、食べてはいけないといわれているエラの部分を食べてしまったために思いっきりお腹をこわしてしまった。
そのため僕の中で、上海ガニは「イマイチ」なカニとなった。
「上海ガニなんて値段が高いだけでたいしたことないよ」
それ以来これが上海ガニの話題が出たときの僕の口癖となったのである。
2007年の冬、上海に駐在している友達が日本に帰ってきた時、上海ガニの話題になった。そこで、僕は例の口癖をつぶやいたのである。
それを聞いたその友達は僕のつぶやきに反論した。
「1人7500円だして高級上海ガニのフルコースを食べるときっと上海ガニを見直すと思うよ」
中国で7500円は高いではないか!
彼がよく使う高級上海ガニのお店は、一部上場の有名企業である彼の会社の社長が上海にやってくるときに連れて行ったり、中国の大事なお客さんとの接待でもよく使ったりするような、かなりイケてるお店のようだ。
「ようし!7500円の高級上海ガニフルコースを食ってやろうではないか」
僕たち夫婦のその年の目標に上海ガニが加わった。
「カニミソのおいしいオスのシーズンは11月だよ」
駐在員の彼の言葉で11月に上海に行くことも決めた。
「そういえば、11月に上海マラソンがあるから出てみたら?」
・・・と、ここでよからぬ方向へ話題が変わった。
「出なよ!ここ5年以上走ってないでしょ?上海マラソンいいじゃん!出なよ!」
映子はヒトゴトだと思って勝手に盛り上がっている」
「・・・」
「じゃあ、上海マラソンに出て完走したらごほうびに上海ガニね!」
僕が躊躇している間に、こういうことになってしまった。
















